旅行とお得情報が大好きな現役ホテルマンのひげまる(@higemaru_hotelman)です。
この記事を読んでくださっている方って旅行が好きな方が多いんじゃないでしょうか?
そんな皆さんに朗報です。宿泊前に「たったのひと手間」かけるだけで、客室のグレードアップが可能になるかもしれません。
ホテルマンの目線で「それだったら、いい客室に替えてあげたいな」って思わせるためにできるために紹介します。
前提|客室には「ランク」がある
まずはじめに、客室にランクがあるってご存知でしたか?
基本的には「ベッドの広さ」、「ベッドの数」、「眺望」、「高層階なのか低層階なのか」などでランクが変わってきます。
呼び方はホテルによって様々ですが、下にいくほど高ランクの客室になります。
- エコノミー
- スタンダー
- モデレート
- スーペリア
- デラックス
- エグゼクティブ
- ラグジュアリー
- ジュニアスイート
- スイート
施設によって多少の前後はあったりしますが、イメージはこんな感じです。
ランクによって宿泊代にも当然差が出てきますよ。
客室の名称や宿泊代からランクが推測できることがなんとなーく分かったかなーと思います。
なぜ施設側は「無料客室アップグレード」を行うのか
以下の3種類の客室があった場合、1番売れやすい客室はどれだと思いますか?
[A]36,000円/人
[B]46,000円/人
[C]66,000円/人
答えは[A]です。基本的には「価格帯の安い客室」から売れていくことがほとんどです。
高ランクの客室が売れ残ることもまったくめずらしいことではありません。
宿側としては、「需要の高い安い客室」のほうが売れる確率が高いので、元々安い客室のお客様をより高い客室にアップグレードし、安い部屋に空室を作ろうとします。
「需要の高い安い客室」を改めて売ることで、より稼働率を高めることができるためです。
さらに、無料で部屋をアップグレードしてもらったお客様にも喜んでもらうことができます。
ただし、無料アップグレードはあくまでも「宿側のご好意によって成り立つ」もので、必ずしもアップグレードしてもらえるものではないことをご理解ください。
無料アップグレードをしてもらうためにできること
みなさんはホテルに宿泊をする際に何を求めますか?
人によって様々かとは思いますが、共通して言えるのが「快適な滞在」ではないでしょうか。
それはホテルマンも同じです。
ホテルに勤めていて思うのが、「チェックインからチェックアウトまで満足してもらうこと。不満を感じられたら終わり」ということです。
次回宿泊してもらうためには、とにかく「おもてなしの心」を持って接客することが何より必要なのです。
ですので、基本的にホテルマンには「喜んでもらうのが好き」であったり、「ホスピタリティ精神にあふれた人」がとにかく多いんです。このことを覚えたうえで、以下のことを試してみてください。
①予約後に宿側に連絡を入れる【超重要】
最も重要なポイントが、予約後に宿側に連絡を入れることです。連絡手段はメールでも電話でもどちらでもOKです!
連絡なしの場合、宿側としては通常どおり「他のお客様と同じ扱い」をすることがほとんどです。
また、「喜んでもらうのが好き」とか、「ホスピタリティ精神にあふれた人」が働いているホテルでは、何かお客様の情報があれば、よりパーソナルなおもてなしが可能になるんです。
メールや電話で宿に伝えるべきおすすめの項目は以下のとおりです。
- ホテルの利用目的
- ホテルでなにを楽しみにしているか
- そのほかなにか要望があれば
ホテルに泊まるということは何か「目的」がありますよね?
家族旅行、新婚旅行、誕生日旅行、里帰り、子どもの試合のために…など、なにか理由があるはずです。
「年に1度の家族旅行で宿泊するんですが…」「遠距離恋愛中の彼女との初めての旅行なんです。」など具体的に伝えてみましょう。
今回の旅行は「特別」なんだよということが上手く伝えられれば、私だったら絶対に無料アップグレードしたくなります。
次に、「ホテルでなにを楽しみにしているか」を具体的に伝えるのもおすすめです。
「家族旅行なので、観光もするんですが、ホテルの中でもしっかり楽しみたい!」「みんな○○ホテルに宿泊してレストランでおいしいご飯を食べるのが楽しみなんです!」など。
このようなメッセージを貰えれば「ご飯を楽しみにしてるから夕食会場に特別感をだしつつ、家族全員がしっかりくつろげるような環境作りが必要」だなと感じます!
最後になにかホテル側に要望があれば、それを伝えるのも忘れずに行ってくださいね。
②公式サイトからの予約の方が無料アップグレードしてもらいやすい
部屋のアップグレードを狙うのであれば、予約サイトよりも公式サイトからの予約がおすすめです。
なぜなら、予約サイトを経由しての予約の場合、ホテル側は予約サイトに「手数料」という名目の紹介料を支払う必要があります。
一方、公式サイトからの予約だと手数料は発生しないため、予約サイトからの予約よりも嬉しいのが本音です。
予約サイトのポイントバッグやお得なキャンペーンも魅力ですが、公式サイトからの予約も検討してみてはいかがでしょうか。
なお、予約サイトから予約した場合でも、先ほどの事前連絡をぜひしてみてくださいね!
③礼儀はしっかりと
メールや電話での連絡の際も当然なのですが、宿側から「いいお客様」という印象を持ってもらうことがとても大事です。
以前、勤務中に「当日誕生日なんだけど、何かないの?誕生日特典とかあるでしょ?」という問い合わせを受けたことがあります。
もちろんこれは先ほど触れた「電話やメールでの事前連絡」であり、誕生日という特別感を匂わす発言もしているのですが、言い方が「上から目線」感を非常に感じたので、サービスは止めました…
言い方やマナーがしっかりしていれば、「飲み物1人1本付き」や「客室グレードアップ」など、何かサービスをしたと思います。
ホテルマンも人間です。あくまでも低姿勢で、かつ礼儀正しく要望を伝えることはとても大事です。
④リピーターになる
これは2回以上同じ宿泊施設に宿泊する場合に限りますが、2回目の予約の際に「〇月に宿泊したのですが」という感じで「以前泊まったことがある」ということを伝えてみてください。
宿側としても、リピーターさんはとにかく大事にしたいんです。
もしかしたら当日アップグレードしてもらえるかもしれません。
大切におもてなしすることで、また泊まってくれる可能性が高いですからね!
⑤ホテルのベテランスタッフと仲良くする
ホテルには「部屋割」という仕事があります。
このお客様は小さい子ども連れだから角部屋にして他のお客様に配慮しよう
このグループは宴会予定。酔うと声などが大きくなりがちなのでエレベーター付近の部屋にして他のお客様が少しでもゆっくり寝れるようにしよう
というように、お客様に合わせて部屋を割り振りする役目です。
部屋割りやアップグレードの権限はベテランが握っていることは少なくありません。
宿泊当日にはすでに部屋割りが終わっていることがほとんどですが、このベテランスタッフにチェックインしてもらえるようにタイミングを図ってみることをおすすめします。
そして、ベテランスタッフに「部屋をアップグレードしてあげたい」と思わせるようなお話をすることが大切です。
難しそうなことを言ってますが、何気ない世間話からお話をしてみてください。
「暑いですね、今日はお客様たくさんいらっしゃるんですか?」などから始めて「今日宿泊することを家族全員楽しみにしてたんです!」とかホテルを持ち上げるような感じでそれとなく言ってみるといいですよ。
これ意外とアップグレードにつながる裏技です!
まとめ|コツを抑えてアップグレードを狙おう!
クレジットカードの上級会員などでもアップグレードしてくれる特典もありますが、誰でも試しやすい「無料アップグレード」について紹介しました。
あくまでも「宿側の都合でのアップグレード」ですが、この記事で紹介したことを事前に行えば意外と無料アップグレードにつながるかもしれません。
旅行の際はぜひ試してみてくださいね。